2009年12月19日
ロリィタs Not Dead!! 15話
わお!!
ワサワサワサと人が集まってまいりました!
舞台の袖から客席を、こっそり覗くのでございます。
私たちを含め、出演グループは4組。
パンクバンドは私たちだけ。
後は弾き語りの方1名、そしてポップなロックをするバンド2組。
あからさまに敵対視したツンデレリサのバンド「sodom」は、素人目でもわかるほど完成されたパフォーマンスでしたわ。
お歌もしなやかでお上手!
プロデビューが期待されているという話も頷けます。
悔しいですわ!キィ~~~!!
それより弾き語りのshunさん!
リハにて私のリクエストで涙腺直撃曲「ラブイズオーバー」をやってくださったのは感激でした。
ちょっとクールで男前ですし!
あぁ、そうですよ。
こういった音楽性のフィットした方と組むのが賢明ですのよ!
漆黒のラビリンスに迷い込んだ乙女を救出する王子様になって下さらないものでしょうかしら?
と。
そんな夢もうたかた。。。
shunさんは私たちのリハをチラッと見ると、「関わっちゃいけないオーラ」を放ち、なにくわぬ顔で控室に戻ってしまいました。。。
あぁ、またやって来ましたわ。。
あれはウチら(ism)の客ですわ。
当然のように判別できます。
その人種たるや!
くわえ煙草で店内にズカズカと入場するや否や店員と揉めあったり。
あの人はこんな暗い店内でサングラスして前見えてるのかしら?
うわ!革のベストから見える腕のいたるところに入れ墨ですわ!
床にドカッと座りこみバカ笑いする連中。
あっ、あっちじゃドリンクこぼした一般客に因縁つけてますしぃ~~~。。
・・・この平和な日本の社会の中で暮らしていてはいけない人たちばかりですわ。。
「お前さぁ、隠れてるつもりだろうけど丸見えだぜ?」
後ろからの声にビックリ、飛び上がってしまいました。
着地した際のミュールの「ドン!」という音が反響します。
省吾さんでした。
「お前デカイんだからさぁ。。それにそのスカート、半分以上出てるっちゅうの。」
みるとアイスクリーム柄がかなりステージにはみ出しています。
お客も数名こっち見てました。
「あ・・いえいえ、こっそり見てたわけではございませんのよ。。」
「いいから控室にでもいろよ。」
そういうと省吾さんは行ってしまいました。
控室が嫌だからここにいるのにぃ~・・・。
一応女子控室が設営されたのは幸いでした。
しかしそこはいかにも物置だった1室。
壁紙はところどころ剥がれ、一角に積まれた段ボール。
ただでさえ居心地悪い中、アノ!ツンデレと一緒なんて!
ええ、散々言われましたわ!
「省吾もいつまでパンクに執着してるのかしら?」
私たちのリハをどこかで観てたのでしょう。
リサは鏡に向かい、眉切りバサミで眉のお手入れをしてました。
控室に戻った私を一蔑、そして言うのです。
「しかもこんなド☆素人と!」
「パンクは・・パンクの何がいけないのですか!?」
ド☆素人の私も言われっぱなしじゃ気が済みません。
ちょっとお歌が上手いからっていい気にさせといちゃならんっ!ですわ!!
「パンクなんてもう滅びた音楽よ。‘Punks Not Dead!‘とか言ってるけど死んだようなものだわ。」
水を切らしブザーを鳴らす加湿器に、彼女は飲んでいたペットボトルの水をトクトクと注ぎました。
「バカの一つ覚えみたいにギャンギャンギャンギャン鳴らすだけでしょ?あなたもウルサイだけって思うでしょ?」
「その通り!・・・あっ!いいえ!違いますわ!パンクはもっと・・」
「省吾もあの時、私と一緒にsodomに来ればよかったのよ。。」
その一言だけ。
その時だけ、彼女は本心を見せたのかもしれません。
彼女は省吾さんへのいっぱいの愛をもったまま、そして死ぬことも出来ない乙女の顔をしていました。
眉切りバサミを悪戯に鳴らし、空になったペットボトルを屑かごに放り込むと、あからさまな作り笑顔で私に言いました。
「せいぜい恥かくといいわ。パンクなんてデタラメな伝統は私たちが殺してあげる。。」


